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最高裁判所第三小法廷 昭和23(マ)5 決定

主 文

本件申請を却下する。

申請費用は申請人の負担とする。

理 由

最高裁判所は、上告及び訴訟法において特に定める抗告について、裁判権を有す

る外、法律において特に最高裁判所に属するものと定められた権限のみを有するも

のであることは、裁判所法第七条及び第八条に照らし明らかである、ところが本件

申請は、さきに神戸区裁判所昭和二十年(ユ)第三四号家屋明渡等事件の調停調書

の執行力ある正本に基く強制執行の停止を求めるものであつて、特に最高裁判所が

かような停止の裁判をする権限を有することを定めた規定は、現行のいかなる法律

の中にも存在しないのであつて、当裁判所は、本件について裁判権を有しないので

ある。尤も本件申請書の記載によれば、申請人は民事訴訟法第四百十八条の規定に

より本件申請をするものであると述べているけれども、同条は、凡そ抗告は、即時

抗告の外は当然には執行停止の効力を有しないので、かかる抗告の申立のあつた場

合において事情によつては裁判所又は裁判官が当該抗告により争われている原裁判

所そのものの執行を一時停止し得る旨を定めている規定であつて、申請人の解する

ように執行力ある債務名義に基く強制執行の停止を命じ得る旨の規定ではない。よ

つて本件申請は、不適法のものとしてこれを却下すべきものとし、申請費用は申請

人に負担させて、主文のとおり決定する。

以上は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二十三年四月十七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

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裁判官 庄 野 理 一

裁判官 河 村 又 介

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